· 現役薬剤師(薬剤師歴10年以上/本業年収970万円・副業含め1,000万円超) · 資格・スキル  · 13 min read

認定薬剤師の種類と取得方法|全18種一覧と現実的な選び方を現役が解説

認定薬剤師18種の種類・取得方法・難易度・更新サイクルを、現役薬剤師(薬剤師歴10年以上)が一覧で整理しました。「資格コレクター」にならず、年収アップ・キャリアに直結させる選び方を本音で書きます。

執筆・監修:現役薬剤師(薬剤師歴10年以上/本業年収970万円・副業含む年収1,000万円超) 薬機法・医療広告ガイドラインを遵守して執筆しています。

はじめに:認定薬剤師は「全部取る資格」ではない

「認定薬剤師を取ろうかな」と思った瞬間、最初に立ちはだかるのが「種類が多すぎる」問題です。

研修認定薬剤師、特定領域認定、専門薬剤師。それぞれの中にも複数の種類があり、合計すると18種類以上。「結局、どれを取ればいいのか」が分からなくなる人は多いと思います。

結論から言います。認定薬剤師は「全部取る資格」ではなく「目的を持って1〜2個取る資格」です。

この記事では、現役薬剤師が18種を一覧で整理し、「あなたの目的別の選び方」を提示します。最後に、私自身が取った認定資格と取らなかった理由も、本音で書きます。

この記事の結論(先に3行で)

  1. 認定薬剤師は18種類以上あるが、目的別に絞れば取るべきは1〜2個に絞られる
  2. 「資格手当が出る」「転職市場で評価される」「業務の幅が広がる」のいずれかに直結するものが優先
  3. 「資格コレクター」になっても年収もキャリアも上がらない。目的から逆算して選ぶのが王道

認定薬剤師とは ─ 「専門薬剤師」との違い

認定薬剤師の3制度(生涯研修認定/特定領域認定/専門薬剤師)

「認定薬剤師」は大きく3つの制度に分かれます。

公益社団法人薬剤師認定制度認証機構(CPC)の仕組み

認定機関ごとに認定の仕組みが異なります。CPCはその認証機構として機能しています。

認定薬剤師 全18種一覧

#資格名認定機関対象取得難易度更新サイクル
1研修認定薬剤師日本薬剤師研修センター等全薬剤師3年
2がん薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師中心5年
3在宅療養支援認定薬剤師日本在宅薬学会在宅従事者5年
4プライマリ・ケア認定薬剤師日本プライマリ・ケア連合学会地域医療従事者5年
5感染制御認定薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師5年
6緩和薬物療法認定薬剤師日本緩和医療薬学会緩和ケア従事者5年
7妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師5年
8精神科薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会精神科従事者5年
9HIV感染症薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師5年
10妊婦・授乳婦専門薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師最高5年
11がん専門薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師最高5年
12感染制御専門薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師最高5年
13精神科専門薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師最高5年
14緩和医療専門薬剤師日本緩和医療薬学会病院薬剤師最高5年
15スポーツファーマシスト日本アンチ・ドーピング機構全薬剤師4年
16漢方薬・生薬認定薬剤師日本薬剤師研修センター等全薬剤師3年
17災害医療認定薬剤師日本病院薬剤師会病院薬剤師5年
18認定実務実習指導薬剤師日本薬剤師研修センター実務実習指導者5年

※情報は2026年5月時点の各認定機関公開情報に基づきます。最新情報は各認定機関の公式サイトで確認してください。

人気上位5種の詳細

1位 研修認定薬剤師

公益財団法人日本薬剤師研修センター 2024年公表値で取得者数は約5万830人。厚生労働省『令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計』の薬剤師総数約32.3万人を分母とすると15%超に相当します。最も取得者が多い基礎的な認定です。

2位 がん薬物療法認定薬剤師

病院薬剤師の専門性を高める代表的な認定。取得難易度は高めです。

3位 在宅療養支援認定薬剤師

在宅医療の拡大とともに需要が伸びている認定です。

4位 プライマリ・ケア認定薬剤師

地域医療従事者向けの認定。地域包括ケアの中で重宝されます。

5位 感染制御認定薬剤師

ICT(感染制御チーム)の中核を担う認定です。

取得までのリアルな道のり

必要単位数・研修時間・費用

認定によって必要単位数・研修時間が異なります。年間数万円〜の費用がかかります。

受験までの平均期間(1〜3年)

業務と並行しながら必要単位を取得するため、1〜3年が一般的です。

更新の手間(5年ごと等)

更新サイクルごとに必要単位の再取得が求められます。

目的別の選び方

年収アップを狙うなら

資格手当が出る職場で評価される認定を選ぶのが現実的です。詳しくは 薬剤師の年収を上げる7つの方法 を参照ください。

専門性を深めたいなら

業務領域に直結する認定を1〜2個に絞ります。

転職市場で評価されたいなら

業態が求める認定(病院ならがん・感染制御等)を選びます。

在宅・地域医療に関わりたいなら

在宅療養支援認定薬剤師、プライマリ・ケア認定薬剤師が現実的な選択肢です。

取って終わりにしない ─ 認定資格を年収・転職に直結させる方法

認定取得後の運用が、年収・キャリアへの転換を決めます。「資格を取った」で止めず、業務での活用と転職市場でのアピールに繋げる設計が必要です。

現役薬剤師としての本音 ─ 私が取った認定資格と取らなかった理由

ここからは、私自身の本音です。

私は薬剤師として10年以上、複数の認定取得を検討してきました。学会発表で受賞した経験もあり、勉強自体は嫌いではありません。学生時代に薬剤師国家試験の模試で全国2位を取ったこともあります(あくまで模試の話で、権威として前面に出すつもりはありません)。

その上で、私が取った認定資格と取らなかった資格があります。本音で言うと、選んだ基準は1つだけです。

この資格は、私が今の仕事の中で活かせるか

取った資格は、現場業務で「この資格を持っているからこそできる仕事」が明確にあったものだけです。逆に、取らなかった資格は「履歴書に書ける」以上の意味が見えなかったもの。資格手当が出る・出ないだけで決めなかったのは、現場で活かせない資格は5年以内に陳腐化するからです。

私が後輩薬剤師に「認定資格を取ろうか迷っている」と相談されたとき、相談時に重視している3つの質問があります。

  1. 「この資格を取った後、あなたの日常業務は具体的に何が変わりますか?」 ─ ここに具体的な答えが出ない場合、5年後の更新時にモチベーションが続きません
  2. 「この資格を取るのに必要な時間と費用に対して、リターンは何ですか?」 ─ 年収アップ・転職市場での評価・キャリアの幅、いずれかに紐づかないとリターン不明
  3. 「他の認定資格と比べて、なぜこの資格を選びますか?」 ─ 18種類の中での比較が言語化できないと、選んだ後悔が出やすい

「資格コレクター」になっても、年収もキャリアも上がりません。1個取って、現場で活かして、5年後に「もう1個取るか」を考える。この順番で動くのが、私の答えです。

ちなみに、認定資格を年収アップに直結させる方法は、薬剤師の年収を上げる7つの方法 に詳しく書きました。資格と年収の関係を構造的に整理したい方は、そちらもどうぞ。

参考文献

  • 公益財団法人日本薬剤師研修センター 公開資料(2024年公表値)
  • 厚生労働省「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」
  • 各認定機関公式サイト(2026年5月時点)

最後に:あなたが選ぶ、次の一歩

認定薬剤師18種のうち、あなたに合うのは1〜2個です。「目的から逆算して選ぶ」が王道。

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